メインビジュアルにまつわるニナの想い

なぜかというと、
セクシャル・プレジャーを積極的に意識する必要があるの?、とか、
今はそういうの興味ないな、とか、
そのように感じられる女性も多いかと思うからです。

かと言って、ニナはそれに対してNoを突き付けるつもりはありません。
声高にセックスやセルフ・プレジャーを推し進めるメディアにするつもりもありません。

ニナは、セクシャル・プレジャーは生きる上で大切な要素と考えていますが、
女性の人生のステージによっても、その捉え方は大きく異なると思いますし、
これまでの価値観・経験・趣味嗜好によっても捉え方は異なると思っているからです。

ただ、人は誰しも、人間とケモノ(動物的本能)の狭間で生きていると思っています。
人によっては、そのことを苦しく感じる時があるのではないでしょうか。
不自由さ、のようなものを感じる時です。

一方ゆいかさんの描く作品は、日本画をベースとした独自の技法と様々な手法によって制作されており、
何らかのカテゴリーには当てはまらない”しなやかな自由さ”を物語っています。

実際に多くの絵画作品を目の当たりにして、
なぜこの方にニナの世界観を描いていただきたいと思ったのかが、
個展に伺ってハッキリとわかったのでした。

”女性が潜在的に抱く不自由さのようなものからの解放”、
というニナの隠れたメッセージを表していただけると直感したのです。

とはいえ、それを即座に言語化できず…。
メインビジュアルのイメージについて、色々とご質問いただいた際は、
非常にたどたどしい回答になってしまいました。
しかしそれでも、一言ずつ丁寧に言葉の意味を汲み取ってくださったゆいかさんの優しさと大らかさ、
そして、感覚の鋭さがとても印象的でした。

結果的に、多くの言葉は必要ありませんでした。
ニナの全ての想いを包み込み描いてくださったビジュアルは、
まさに頭の中に描いていたNina Novembre そのものだったのです。

会いたい人に、ようやく会えたような感覚。
感動的な瞬間は、今も忘れられません。

「満ち欠けと共に」
©2023 Yuika Hayashi

女性性を象徴する”月”の青白い光に照らされる草花の中に佇む
ヒトとケモノの狭間に生きる美しい女性のようなNina
服の中に溶け込む密かな色味は、夜の暗闇よりも深い
透き通るような毛並みから生える耳は、どんな音色を聴いているのだろう
その表情は笑っているのだろうか

about Artist
林ゆいか | Yuika Hayashi

2008年 武蔵野美術大学造形学部日本画学科 卒業
大学卒業後デザイン会社などを経て作家活動を始める。
日本画や布絵、ペン画や立体などさまざまな手法で作品を制作。
目には見えないもの、自然の気配を表現することに長けている。


IG  https://www.instagram.com/yuika_hayashi
HP http://hayashiyuika.com

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